HOME>最新情報

最新情報 詳細

春闘一斉回答 「次はリストラか」一部定昇凍結に危機感

2012/08/24

 電機大手などの今春闘の一斉回答日となった14日、一部家電メーカーがリーマン・ショック後の2009年春闘以来となる定期昇給(定昇)凍結の方針を決めるなど厳しい内容が相次いだ。組合側が求めた「最低ライン」の定昇は維持されても、一時金の減額が避けられない企業も目立ち、社員らからは「次はリストラか」など不安の声が漏れた。月末にかけて大詰めを迎える中小企業の交渉に影響が及ぶのは必至で、関係者は警戒感をあらわにした。〈本文記事1面〉
 大阪府守口市に開設された電機連合大阪地方協議会の速報会場では、午前10時頃から各社の回答が届き始め、パソコンで入力された結果が次々とスクリーンに映し出された。年齢や勤続年数に応じて給料が上がる「定期昇給」の維持を統一要求したが、シャープ(大阪市)は、定昇の実施時期を遅らせる方向で労使で調整する見通しとなった。
 12年3月期の連結決算で過去最大の2900億円の赤字となる見込みの同社。40歳代の男性社員は、「働く場所があるだけましかもしれないが、子どもの学費や住宅ローンの負担が重くなるばかり。リストラや配置転換の不安も現実味を帯びてきた」と話した。
 定昇が維持される企業も安泰ではない。連結決算で7800億円の巨額赤字と予想しているパナソニック(大阪府門真市)は、業績悪化に連動して一時金は減額になるとみられる。女性社員は「定昇維持でも安心感は全くない。社内全体に危機感が漂っており、ここを底にできるよう、社員一人ひとりが自分の仕事で結果を出すしかない」。
 神戸製鋼所(神戸市)は、一時金120万円(年間)の要求に対し、103万円の回答。東日本大震災や円高などで苦境が続く経営状況を考慮し、前年の支給実績より要求額を下げたが、さらに下回る結果となった。男性社員(45)は「中国や韓国との競争などで業界が厳しいことは分かったうえでの要求だっただけに残念だ」と話した。
 交渉がこれから山場を迎える中小企業にも不安の色は強い。堺市の食品関連機械メーカーは、タイの大規模洪水や円高のあおりで海外の取引先からの発注が一時ストップ。労組は約9200円のベースアップと6か月分の一時金を要求しているが、「この状況では会社はベアを渋り、一時金で解決しようとしかねない」(労組幹部)。大阪の中小企業などが加盟する労組幹部は、「賃金体系の維持は労使の大切な約束事。絶対に守り抜くべく闘う」と語気を強めた。
[読売新聞社 2012年3月14日(水)]